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冷熱システム製作所 インタビュー グループリーダー編③

グループリーダー③

日本独自の仕様を強みに三菱電機のチラーを世界へ

グループリーダー③

日本独自の仕様を強みに三菱電機のチラーを世界へ

冷熱システム製作所(和歌山地区)
空調システム製造部 チラー・給湯技術課 2011年入社 山野 善生
※所属はインタビュー当時のものとなります

大型チラーの欧州向け初号機を開発

三菱電機に入社して以来、チラー(冷却水循環装置)の開発一筋にキャリアを重ねてきました。その中で特に印象に残っているのが、大型チラーの欧州展開です。チラーの市場において、欧州では現地メーカーが大きなシェアを獲得しています。国内にも当社を含め高い技術力を持ったメーカーはありますが、当時はいずれも進出を果たせていませんでした。その大きな要因が、製品仕様の違いです。大型チラー1台で完結する欧州製と違い、日本製は小さなチラーを複数台並べることで大きな力を出します。

後者は必要な能力に合わせた使い方ができる上、たとえ1台が故障したとしても稼働を続けることが可能。メリットはたくさんありますが、世界標準とは異なるガラパゴス的進化が海外進出にハードルをもたらしていました。
そんな中で当社が欧州進出に向けて動き始めたのは、先行して行っていた小型チラーの海外展開で手応えがあったからです。私はその機種担当を務めており、それがきっかけで欧州向け大型チラーの開発を任されることになりました。そして2015年にリリースした初号機においては、マニュアルの作成からフランスでの試運転に立ち会うところまで広く担当。現地での反応も良く、その後に続く海外展開の大きな転機となりました。

強まる環境規制を追い風に世界市場での更なる飛躍を目指す

大型チラーは元々、長崎の製作所で開発していました。しかし、開発の合理化を推進する過程で、2014年より小型チラーを手掛ける和歌山に合流。当時、小型チラー単体では黒字でしたが、合流したことによって赤字からのリスタートとなりました。現在は黒字化していますが、私たちは引き続き安定黒字化を目指して取り組んでいます。大型チラーが長年にわたって黒字化できなかったのは、技術の面で競合に先を越されていた部分があったためです。

しかし、懸命な努力と創意工夫によってその差は徐々に縮小。さらに競争によって培った技術は海外で評価を獲得することになり、売上の拡大に繋がりました。そして今では現地の製品よりも一回りコストはかかりますが性能・品質面では一定のブランドを確立。欧州のみならず、豪州、アジア、中南米にも進出し、販売台数も右肩上がりで伸び続けています。
海外では地球温暖化係数(GWP)の高いFガスを使用した製品への規制が強まる傾向にあります。規制が厳しくなると今よりも燃えやすい冷媒や性能の出にくい冷媒を使用しなければなりません。ますます開発の難度が上がる中、圧縮機を含めたユニット全体で性能向上を目指せる当社にとっては追い風。北米をはじめ、まだ進出できていない地域もありますし、事業の伸びしろはかなりあると言えます。

他業界出身でも、ものづくりに関する幅広い知見があれば即戦力として活躍可能

チラー・給湯技術課では協力会社が図面の作成を担います。私たち設計担当がCADで図面を書くことは基本的にありません。上流工程を中心に担う中で必要になるのが、チラーに関する専門的な知見とものづくりに関する幅広い知見です。私の場合は前職で写真処理機器の設計開発を担当していたため、前者に関しては入社後に学ぶことになりました。一方で図面を描くところから試作まで幅広い工程を経験していたため、板金、工作、成型などの多様な知見があり、比較的スムーズにスタートを切ることができました。

私と同じように他業界出身の方であれば、図面の作成をはじめ、ものづくりを広く経験・理解されている方のほうがベターです。専門的な知識については業務の中や研修等を通じて学ぶことができるのでご安心ください。